2012年12月20日

改造したT細胞を使った白血病治療法

前回に続き、今度は白血病関連のニュースを見つけました。

白血病の新しい治療法の研究についてのニュースです。この治療法により実際に回復した患者もいるようです。

白血病の少女、HIVウイルスを使った治療法で回復 : ギズモード・ジャパン

タイトルにはHIVウイルスを使うと書いていますが、HIVウイルスを体に入れるとかではありません。この治療法の主役はT細胞です。
この治療では、まず患者のT細胞を体から数百万個取り出し、そこにがんと戦うための遺伝子を挿入するのですが、その際に無効化されたHIVウイルスが使われます。そのT細胞が患者の血管に戻され、体内でがんと戦うのです。
戻されたT細胞が悪性細胞と戦う際には、体にかなりの負担がかかるようです。
その際の患者の負担は大きく、激しい高熱と悪寒があります。 
これまでの結果は、かなり期待できるものです。
結果は、3人は白血病が完全に沈静化、4人は沈静化したものの完全ではなく、2人はまったく効果なしというものでした。また別の子供に対する治療では、いったん改善を見せたものの結局再発してしまいました。
必ず効くというわけではなさそうですが、治療法の選択肢が増えるというのはいいことだと思います。

ちなみに元の記事(英語)はこちら↓です。

A Breakthrough Against Leukemia Using Altered T-Cells - NYTimes.com

元記事では、抗がん剤や骨髄移植と比べて、費用を抑えられるということも書かれています。

研究はまだ初期段階で、解明されていないこともたくさんあるようですが、この研究が有効な治療法につながることを願います。

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