骨髄移植前後の約1か月は、クリーンルームで生活しました。今回はこの病室について、どんなところだったのかをまとめてみました。
概要
「クリーンルーム」とは、空気清浄と殺菌を徹底した部屋です。「無菌室」とも言いますが、私のいた病院ではクリーンルームと呼ばれていました。骨髄移植の前処置で骨髄が破壊されることによって、免疫力が非常に低くなるので、細菌やウイルスを極力なくしたクリーンルームに入る必要があります。
構造・仕組み
廊下から入るとまず準備室のような空間(副室)があります。クリーンルームに入るための準備をするためと、廊下と病室を空間的に遮断する役目があると思われます。正室2部屋に副室1部屋という構成でした。 |
病室は、ベッドの枕側の壁一面が、小さな穴が空いているメッシュ状になっています。そこからフィルターにかけられたきれいな空気が常に出てくるようになっています。
それが下の図のような経路で部屋を抜けていくという空気の流れを常につくっています。そうすることで、部屋の空気、特に患者の頭付近の空気を常に清潔に保つという仕組みです。ちなみにトイレの上の天井には別途換気扇がついていました。
病室内
6畳あるかないかくらいの広さで、テレビ、冷蔵庫、洗面台、トイレと一式そろっていました。テレビのイメージで、ビニールで仕切られた部屋なのかと思っていたのですがそうではなく、空気清浄のシステム以外は、そこまで特別なものはありませんでした。副室側は、大きなガラス(プラスチックかも)で仕切られており、副室から患者の様子が見えるようになっています。ベッドサイドからスイッチでカーテンを開閉することができますが、すぐのぞけるようになっているので、あまりプライバシーはありませんでした。
外側の窓は二重になっており、これまたベッドサイドにブラインドの昇降スイッチがありました。
また、聴診器やライトなどの一部の道具は病室内にあり、先生や看護師さんはそれを使っていました。
ルール
日課
感染経路をとにかくおさえるというのが原則です。そのために、トイレ後、食前の手洗い・うがいは必須です。食後は歯磨きを入念にします。私の場合、以前口内炎の原因となった親知らず周辺は要注意でした。持ち込めるもの
これまでセミクリーンルームで使っていたものは、ほとんど持ち込めました。ただし、血小板数の低下によって血が止まりにくくなるので、爪切りやハサミなどの刃物の使用は禁止されました。また、同じ理由で、コップはプラスチック製のものに変えることになりました。着るものは、特別何かを用意する必要はなく、そのままそれまで使用していたパジャマを使っていました。
飲食物
もちろん生もの禁止です。飲み物はペッドボトルやパックのものや沸かしてすぐのお湯ならOK。ただし、開封したら1日で飲み切るようにします。掃除
掃除は毎日ありました。これまで以上に入念に、滅菌用の洗剤を使用していました。見舞い側のルール
見舞いをする側にもルールがあります。主に以下のような感じです。- 病室に入るのは一度に一人ずつ。
- 副室でスリッパに履き替え、手を洗い、白衣を着る。マスクは当然。
- 入る前に空気清浄の気流を高速にする。
- 患者の風下側にいるようにする。
- 接触禁止。
- 体調不良の人はNG。
居心地
第一印象は、狭い、暗い。セミクリーンの個室が快適だった反動もあったと思います。1か月ほどその空間に缶詰め状態ですから、そういうのがダメな人は大変だと思います。私はもともとインドア気味なのでけっこうすぐ慣れました。空気の流れや滅菌状態を保つためには、狭くしたほうがいいのだと思われます。また、患者の体調が悪化したときに、あまり動けなくなるので、近くにトイレや洗面台があったほうが便利です。これはあとになって実感することになります。
まとめ
以上、クリーンルームについてまとめてみました。もっと物々しい部屋なのかもと思っていましたが、それほどでもなかったです。行動範囲はすごく狭いですが、慣れてしまえばそんなに不便はありませんでした。この章では、このような病室で生活しています。
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