2014年11月1日

白血病などがんに劇的効果の免疫細胞療法


免疫の力を利用してがんなどの病気を治療するのが免疫療法です。まだ研究段階のものが多いのですが、臨床試験で非常に良い結果を出したものがあるというニュースです。
スイスの薬品会社ノバルティスと米シアトルのバイオ医薬品会社ジュノ・セラピューティクスが依頼した二つの別個の臨床試験では、CAR(キメラ抗原受容体)を用いた遺伝子改変T細胞療法によって、90%近くの患者で白血病細胞が消えた。この結果は昨年12月と今年2月にそれぞれ発表された。

白血病などがんに劇的効果の免疫細胞療法―費用は5000万円超とも - WSJ

T細胞を組み換えてがん細胞を攻撃

CAR療法は、遺伝子の微調整と患者自身の免疫システムを使う「免疫療法」を組み合わせたものだ。具体的には、T細胞と呼ばれる病気と闘う白血球を患者の血液から抜き出し、その遺伝子を組み換えて、10日間ほど実験室で培養したあと、患者の体に戻す。遺伝子を改変されたCAR T細胞はがん細胞上の悪性たんぱく質を認識し、標的とする。

課題

効果の持続性

新しい治療法であり、臨床試験を受けた患者の数がまだ少ないため、この療法の効果がどの程度持続するかはっきりしていません。

副作用のリスク

この療法の副作用として、血圧を急激に低下させ心拍数を高める免疫反応である「サイトカイン放出症候群」を起こす可能性があります。ある試験では、2人が死亡したことから一時停止されています。

高価な費用

この療法は、遺伝子工学によってCAR T細胞を作り出すのが非常に難しい上、患者自身の血液細胞を用いて患者一人ひとりのために個別に作る必要があるため、多くの費用がかかります。金額はまだはっきりしていませんが、一部の予想では50万ドル(約5500万円)を超えるとされています。

最近ニュースになったゆめちゃんを救う会の募金は、このCAR-T療法を受けるためのもので、1億3000万円を目標にしています。

あとがき

課題はまだありますが、臨床試験まで行き、結果もいいので期待できるのではないでしょうか。ぜひとも最大の課題である費用の問題を解決してほしいところです。

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