2015年4月30日

白血病関連ニュースまとめ(2015年3~4月)


2015年3~4月の白血病関連のニュースをまとめて紹介します。今回はけっこう多いです。

「免疫チェックポイント阻害薬」、白血病に治療効果を発揮、がんにフル攻撃 | Medエッジ

「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる治療が、白血病でも注目されそうだ。

「PD-L1」と呼ばれるがんで多く表れている、がんが人間の攻撃力を引き下げようとする仕組みを邪魔する治療だ。
「免疫チェックポイント阻害薬」は各種のがんで研究されており、今回のニュースは慢性リンパ性白血病(CLL)についてマウスでの実験を実施したところ、白血病を抑える結果を得たというものです。

関連リンク

急性骨髄性白血病に有望な新しい分子標的治療、「融合CBFβ-SMMHC」をターゲットに | Medエッジ

発がん性のCBFβ-SMMHC融合タンパク質を直接的に邪魔すると、染色体異常を原因とした急性骨髄性白血病を治せる可能性があると研究グループは見る。
(中略)
副作用も少ないといい、人間を対象とした試験につながるか注目される。 

ガン化した白血病の細胞が無害な免疫細胞に変化することが偶然発見される - GIGAZINE

「急性リンパ性白血病」を引き起こす原因となるガン化した白血球の細胞が、無害な免疫細胞に変化することが偶然発見されました。
この変化の原因はまだ不明ということで、変化のメカニズムの解明が待たれます。

Sysmex|慢性骨髄性白血病の治療効果モニタリング検査用試薬(ipsogen BCR-ABL1 Mbcr IS-MMR DX試薬)が保険適用

分子標的薬を用いた治療の効果を監視するための検査試薬が保険適用を受けたというプレスリリースです。

骨髄移植の成功率を高めるヒントに、血液幹細胞を休息させる酵素を特定 | Medエッジ

ItpkBがあるからこそ、血液幹細胞は健康的な不活性期間を維持できると見られる。
造血幹細胞の活性化に関わる「ItpkB」という酵素の働きについての研究報告です。

ItpkBは、造血幹細胞を適切に休ませ、血球が枯渇してしまうのを防ぐ働きがあるそうです。この働きを利用して、造血幹細胞移植の成功率アップにつなげられるかもしれないというニュースです。

白血病の再発、分裂した突然変異を持つがん細胞が怖い、薬で突然変異が増えてさらに悪質に | Medエッジ

最新のゲノム分析技術を使って、子どもの白血病細胞のDNAを「診断」「治療後」「再発」の3段階での比較解析が行われた。その結果、白血病細胞が化学治療により変化して悪性度を増し、再発を引き起こすようになるまでの流れが見えてきた。
化学治療を受けることで悪性度が増すというのは厄介ですね。

白血病の新薬を開発、2つの目印を同時に狙い撃ちに | Medエッジ

白血病細胞の一種「B細胞リンパ腫」の表面には、ほとんどの場合「CD22」「CD19」という2つの「目印」が出ている。今回、この目印の両方を狙い撃ちにする薬が開発された。

自分の細胞で白血病を治す、キメラ抗原受容体T細胞療法(CART)、FDAは「画期的治療」 | Medエッジ

キメラ抗原受容体(CAR)を使った治療は、自分自身の細胞を使って実施するものだ。がんに出ている標的のターゲットを探るアンテナを仕込むような技術だ。がんを攻撃する免疫機能を担う「T細胞」に入れ込んで、がんへの攻撃力を高める。
(中略)
アンテナを仕込んだT細胞を再びがんになった人の体に戻す。既存の治療では進行が抑えられなかったがんを対象としている。研究グループは、白血病とリンパ腫の治療に成功し、その他のがんにも効果のある新しいCARを開発中という。
最近CARTについてのニュースをよく見る気がします。このニュースではCARTの一種の「CTL019」と呼ばれる新しい治療法について紹介しています。

エイズ治療薬が「成人T細胞白血病」にも効果 京都大学チームが解明 - ライブドアニュース 

エイズの治療薬として臨床で広く使用されている抗ウイルス薬「アバカビル」が「成人T細胞白血病(ATL)」と呼ばれる血液のがんの一種に効果があることを、京都大大学院医学研究科の高折晃史教授らのチームが明らかにした。
アバカビルは正常な細胞には毒性がないそうなので、新しい分子標的治療法の開発が期待されます。

京都大学のプレスリリース↓

薬の効かない血液がんの人に朗報、抗がん剤を効きやすくする薬の開発が進行中 | Medエッジ

研究グループは薬に耐性を持つがんの仕組みを検証。がん細胞がモノクローナル抗体を取り込んでいると発見した。がん細胞を攻撃する役目を持つ免疫細胞から自らを隠してしまう。

研究グループは、このモノクローナル抗体のがん細胞への取り込みを防ぐ薬として「BI‐1206」という開発名の新たな抗体を作り出した。

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