2013年6月19日

白血病幹細胞を死滅させる化合物を特定

4月17日、理化学研究所や虎の門病院などのグループが、急性骨髄性白血病の発症と再発の“主犯格”となる「白血病幹細胞」を死滅させる化合物を見つけたと発表しました。

その化合物の名は「RK-20449」

白血病幹細胞で働くさまざまなタンパク質のうち、細胞の増殖に関わる「HCK」という酵素を標的に、そのはたらきを最も強く阻害する低分子化合物「RK-20449」を特定。

マウスの実験で白血病幹細胞がほぼ全て死滅!

RK-20449は、試験管内で患者由来の白血病幹細胞を低濃度で死滅させただけでなく、病態を再現した白血病ヒト化マウスに単剤投与しても白血病幹細胞に対する有効性を示しました。特に、Flt3という遺伝子に異常を持ち、従来の抗がん剤に抵抗性を示す悪性度の高い白血病症例では、数週間、毎日投与するとマウスの末梢血から全てのヒト白血病細胞がなくなり、2カ月後には、骨髄にある白血病幹細胞と白血病細胞のほぼ全てを死滅させることができました。

白血病再発の主原因「白血病幹細胞」を標的とした低分子化合物を同定 | 理化学研究所
悪性度の高い症例に対しても有効であるというのはいいですね。

根治の期待

この研究は、最近取り上げたニュースの中でも、かなり期待できるのではと個人的に考えています。

白血病幹細胞はまさに白血病の親玉みたいなもので、こいつから白血病細胞が作られます。抗がん剤が効きにくく、再発の原因となりやすいです。なので、化学療法や造血幹細胞移植で寛解状態になっても、5年くらいは再発の不安がつきまといます。

しかし、この研究が実用化されたら白血病を根治させる薬ができるかもしれません。現状はマウス実験までなので、臨床などもう少しかかりそうですが、是非ともうまくいってほしいです。がんばれ理研!

参照

白血病再発の主原因「白血病幹細胞」を標的とした低分子化合物を同定 | 理化学研究所
白血病再発の主原因「白血病幹細胞」を標的とした低分子化合物を同定 | 60秒でわかるプレスリリース | 理化学研究所

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