2013年6月15日

分子標的薬治療や精子保存の費用助成基金「志村大輔基金」

全国骨髄バンク推進連絡協議会が1月21日、白血病の治療の副作用で不妊となる男性患者の精子保存の費用を助成する基金を設立したと発表しました。

基金の名称は「志村大輔基金」。患者の経済的負担の軽減を訴えながら、2012年に39歳で亡くなった慢性骨髄性白血病の患者の名前を取って名付けられました。

志村さんの同級生の勤務先であるゴールドマン・サックスが基金の原資を寄付。一般からも寄付を募り、年間1500万円程度を給付できるようにするそうです。

助成は2種類あり、血液疾患における分子標的薬を使った投薬治療に対する助成と、精子保存に対する助成です。

分子標的薬治療助成

分子標的薬とは、がん細胞に特有の分子をターゲットにして攻撃する治療薬です。

従来の抗がん剤では、がん細胞だけでなく正常な細胞まで攻撃するため、副作用が重くなる可能性がありました。一方、分子標的薬は、がん細胞を狙い撃ちするため、正常な細胞へのダメージが少なく済み、副作用を小さくすることができます。

血液疾患でも分子標的薬を使った治療法があり、今回の基金は、その治療費を助成してくれます。

給付対象

  • 血液疾患で長期にわたって分子標的薬治療を続け、経済的に困窮している70歳未満の患者とその家族
  • 日本国内に居住し、日本国内で治療中であること
  • 世帯の所得が、当基金の定める額を超えていない方(所定の算定表により算出)

給付内容

○一般所得者
  • 高額療養費のうち、多数該当となる以前の額のうち4万円を給付。1患者につき年間3回まで(長期処方の該当者であることを問わない)
  • また、これ以降については、医療費のうち2万円を1回あたりごとに給付
  • 給付上限額 年間 30万円
○低所得者
  • 支払1回あたりごとに1万円を給付
  • 給付上限額 年間 12万円

精子保存費用助成

白血病の治療では、化学療法や造血幹細胞移植の前処置によって、 生殖機能が失われる可能性が高いです。そこで、男性患者の場合、治療前に精子を凍結保存する選択肢があります。私もこちらの記事にあるように、治療前に保存しています。

ただ、保存には年間数万円かかります。病気の治療自体に多額の費用がかかるので、なかなかの負担になってきます。

今回の基金は、そんな精子保存に関わる費用を支援してくれるものです。ちなみに、卵子保存については、協議会が別の基金を設立する予定だそうです。

給付対象

  • 今後、造血幹細胞移植や抗がん剤治療を開始予定で、精子保存を希望される45歳以下の男性患者
  • 日本国内に居住し、日本国内で治療中であること
  • 世帯の所得が、当基金の定める額を超えていない方(所定の算定表により算出)

給付内容

  • 精子保存にかかる採取・保存費用、採取のための交通費の一部
  • 上限額 20万円

参照ページ

(公式)特定非営利活動法人 全国骨髄バンク推進連絡協議会 - 志村大輔基金のお知らせ
骨髄移植患者の精子保存に基金 - MSN産経ニュース
■精子保存の費用助成基金を設立 白血病の男性患者が対象:健康創造塾:So-netブログ

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