2015年2月27日

白血病関連ニュースまとめ(2015年1~2月)


2月までで紹介していないニュースをまとめて紹介します。

成人T細胞白血病:抗体開発、薬実用化へ 宮崎大チーム - 毎日新聞

(2015/02/04)
ウイルス性がん「成人T細胞白血病」(ATL)を研究する宮崎大の森下和広教授らのチームが、ATLのがん細胞を死滅させる効果を持つ抗体を開発した。2017年度から臨床試験を始め、より効果的な治療薬の実用化を目指す。
成人T細胞白血病(ATL)とは、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)というウイルスが原因の白血病です。リンパ球の一種であるT細胞にHTLV-Iが感染し、がん化することにより発症します。発症すると強い免疫不全が起こります。

日本ではHTLV-Iの感染者は約100万人おり、そのうち年間700~1000人がATLを発症しています。

予後は他の白血病と比べて不良です。4つの病型があり、特に急性型とリンパ腫型は予後が極めて不良で、急性型の生存期間中央値は1年未満となっています。

成人T細胞白血病、発症仕組みの一端解明 京大グループ : 京都新聞

(2015/02/05)
こちらもATLのニュースです。
成人T細胞白血病(ATL)が発症するメカニズムの一端を、京都大ウイルス研究所の松岡雅雄教授や安永純一朗講師のグループが解明した。発がん機構の全容を知る手掛かりになる成果で、米国科学アカデミー紀要でこのほど発表した。
グループは、ATL患者のT細胞の解析から、細胞の成熟に関わるタンパク質TCF―1とLEF―1が、ウイルスの感染を抑えていることを突き止めた。未成熟のT細胞では、二つのタンパク質が多く存在し、ウイルス感染に必要なタンパク質の働きを抑制していた。

関連記事

がんへの第1歩「再プログラミング」、3つの新事実が判明、カナダ研究グループが報告 | Medエッジ

(2015/01/30)
 再生能力を持たない正常な細胞が、再生能力を得てがん細胞へと運命を変える過程に「再プログラミング」があるが、これについての詳細な研究はこれまでほとんど行われてこなかった。

 今回、研究グループは、血液のがんの1種、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)の細胞で、再プログラミングのメカニズムについて詳しく調べた。
この再プログラミングの過程のどれかを阻害できれば、がん細胞化を防げるのでは。

がんを「フル攻撃」させる薬剤、悪性リンパ腫で効果、有力医学誌で報告 | Medエッジ

(2015/02/01)
今回検証されたのはニボルマブという名前の薬。日本の小野薬品工業が薬の発見から関係していると知られている。「PD-1」という人間が持っているタンパク質をターゲットに効くことでがんへの攻撃力を高める。
(中略)
このたび悪性リンパ腫の中でも、再発したり、ほかの薬が効かなかったりした特に難しいタイプの「ホジキンリンパ腫」に対して効果と安全性が検証された。

慢性リンパ性白血病に効果を発揮、新しい抗がん剤候補「FK866」、悪性度が高くても効果か | Medエッジ

(2015/02/03)
今回、新しい抗がん剤候補「FK866」が、さまざまなタイプの慢性リンパ性白血病の細胞を自殺に追い込む効果があると判明した。

急性骨髄性白血病の「謎の酵素」実態判明、薬のターゲットとして有望に | Medエッジ

(2015/02/07)
 急性骨髄性白血病(AML)では「PRL3」という酵素が作られる。これを作るのを「STAT3」というタンパク質が重要であると判明した。
(中略)
白血病の細胞で、STAT3やPRL3を働けなくしたところ、がん細胞としての悪性度が下がった。

 STAT3とPRL3を抑えるとがんを治せる可能性がある。急性骨髄性白血病の治療標的として有望だと研究グループは語っている。

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