2012年4月23日

[4-11] 入院27日目:骨髄移植に向けての治療計画説明

当時の日記

入院27日目

体重52.2kg、朝の体温36.6℃。

今日は移植について、先生からの説明がある。

今日のメニュー
  • 抗生剤(朝夕)
  • 強ミノ(朝)
  • 採血
  • 心エコー検査
    • 部屋まで来て実施
  • 蓄尿の続き(~16:00)
  • 主治医からの移植についての説明
    • 両親同席
    • 内容としては、行う処置とその作用・副作用について。以前受けた説明を詳しく具体的にした感じ。
やることが増えてきた。ここからはもっと増えるだろう。

移植について先生からの説明を聞く

骨髄移植まであと10日となり、移植に関する処置が本格化するにあたり、主治医の先生からの治療方針の説明と同意のための時間がとられました。まとまった時間をとって説明をするのは、移植前ではこれが実質最後となるため、両親も同席して話を聞きました。

以下、要約になります。

病名

骨髄異形成症候群由来急性骨髄性白血病

移植の治療成績

私のケースと同様の非血縁者間骨髄移植の成績は、40%前後の長期生存率。死亡原因は、再発半分、GVHDなど半分。

前処置

白血病細胞を、骨髄細胞もろとも廃絶させるために、大量の抗がん剤(エンドキサン)投与と放射線全身照射を行う。

白血球が減少する(ゼロになる時期もある)ことで、重い感染症、吐き気、粘膜障害、臓器障害、皮膚障害が生じることがある。

移植後

【GVHD】
移植したドナーさんの細胞が、レシピエント(患者)の細胞を異物とみなして攻撃してくること。移植後100日までの「急性GVHD」と、それ以降の「慢性GVHD」に分けられる。

急性GVHDは、肝臓、皮膚、消化管を中心にして起こり、肝障害・黄疸、皮疹、下痢・腹痛などの症状を起こす。免疫抑制剤によってコントロールをはかるが、重くなったり、感染症を合併したりすると命に関わる。

慢性GVHDは、皮膚症状、目や口腔内の乾燥、口内炎、肝障害、間質性肺炎などをはじめとして、さまざまな症状を起こす。慢性的に持続することで、臓器障害に至ることもしばしばあり、生活の質(QOL)を大きく落とすことがある。

【感染症】
前処置によって白血球がなくなることや、免疫抑制剤による免疫力の低下のため、感染症にかかりやすく、症状も悪化しやすい。感染症の原因も、細菌、真菌、ウイルスなどさまざま。抗生物質を使用して対処する。

【免疫抑制剤】
免疫抑制は、タクロリムス(プログラフ)とメソトレキセートを使用する。GVHDの経過により、プレドニゾロンなどを追加する。免疫抑制剤は、長期間にわたって使用する必要がある。

さまざまな副作用が発生しうる。大きく分けて、(1)薬や注射でコントロールできるもの、(2)コントロールはできないが生命に対する影響は低いもの、(3)生命に関わったり、後遺症を残しうるもの、となる。

【再発】
病気が再発することがある。

【晩期合併症など】
移植後の不妊。二次がん、白内障、間質性肺炎。などなどなど。

これらがすべての患者に起きるわけではない。また、予期せぬ合併症が起きる場合もある。

いよいよ始まる

副作用や合併症の名前とかはよく分かりませんが、治療の計画はこれまで話していたことを詳しくした内容で、治療方針の確認という色合いが強かったです。あとは、副作用などの説明をちゃんとしないといけないのは決まりでしょうから、長く、難しくなってしまうのはしようがありませんね。

改めて長期生存40%ってのは、なかなか恐ろしい数字ですね。

この説明は最終同意の場でもあり、ここまできてどうこう言うこともないので、よろしくお願いしますと同意。あとは移植に向かっていくだけとなりました。

不安は当然ありました。けどそればかり考えていても、いいことはないと思います。だからと言って不安から逃げようと思っても無理。それならそいつもひっくるめて大勝負に挑もう。

骨髄移植まで、あと10日。


※参照ページ
骨髄バンク | 闘病に役立つ情報 - 骨髄・末梢血幹細胞移植とは
骨髄バンク | 闘病に役立つ情報 - 日本骨髄バンクを介した非血縁者間骨髄移植の成績報告書
研修医・医学部学生用 NETセミナー(造血幹細胞移植)|金沢大学附属病院血液内科・呼吸器内科・細胞移植学講座(旧第三内科)

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