始まりは健康診断
やっぱり定期的な健康診断は大事ですね。2010年のある日、勤めている会社の健康診断をフツウに受けました。
この時、事前の問診票のようなものに自覚症状として「疲れやすい」と書いています。当時、ちょっと運動しただけで息切れや動悸がする状態でした。これを私は運動不足や仕事の疲れくらいにしか考えていませんでした。
さて、健康診断を終えて1週間しないうちに、その健康診断を担当しているところから連絡が来ました。
曰く、
「貧血がひどい。前年と比べてもかなり悪い」
「体はだるくないか?」
「すぐ血液内科に診てもらったほうがいい。ていうかすぐ精密検査しろ。紹介状書くから」
とのこと。
というわけで、その週末に地元の総合病院へ行くことにしました。
この時の私は、そんな深刻に考えてなくて、むしろ会社を休む口実ができたとか考えてました。
精密検査
地元の総合病院での最初の受診日。血液検査の結果、
赤血球(ヘモグロビン)、血小板が低い
そして一番の問題はこれ↓
「芽球」ってなんぞや?
だそうです。つまり、白血球とか赤血球とかになれなかった未熟な細胞ということらしい。芽球(blast)とは、形態学的にもっとも幼若な血液細胞のことであり、骨髄芽球(Myeloblast)を含む、より広範な概念である。 実際には「白血病細胞である可能性が高い細胞」を意味することが多い。
1%とは言え侮る事なかれ。健康な人の場合、血管を流れる血液(末梢血)中には観察されないので、1%でもあるということは何らかの血液疾患が疑われるということなのです。
さらなる精密検査
芽球が出てきたので、病気の特定のためにもさらなる精密検査が必要ということで、次の週に会社を休んで再び受診。この日はレントゲンやCTなどいろんな検査をしました。その中で私を恐怖に陥れたのが、「骨髄検査」。通称「マルク」。
医療ドラマなどで知っている方もいるかも知れませんが、腰の骨に針刺して骨髄液を採るアレです。海外ドラマとかで見ていたアレをついにやるのか!ドラマだとすごい痛そうなんだけど!?
悶々と恐怖しつつ術式開始。
腰骨から採るので、ベッドにうつ伏せに。採る位置を決定しそこに麻酔を注射。ていうかこれが痛い。麻酔が効いたところで、針をグリグリ刺していく。なにかやってるのは分かるが、痛みはほぼない。そして針が骨髄まで届いたところで骨髄液を採取。一瞬鋭い痛みが。
痛かったのは麻酔の注射と、採る一瞬だけでした。まあ、一貫してビビりまくってはいましたが。最近の麻酔の技術に感謝。
いよいよ診断
というわけで診断の時間です。先生が告げた病名は「骨髄増殖性疾患」。
未熟な血液細胞である芽球が正常な血球にならず異常に増殖する病気。異常に増えることで正常な血球の製造が阻害されてしまう。だから赤血球が減って貧血症状が出ていた。
おおまかに言ってしまえば、血液のガン、白血病の仲間みたいなもの。そして、死に至るかもしれない病。
その時どう思ったかって?
ショックと言うよりも、やっちまったなあって感じでした。ドラマみたいにショックで打ちひしがれるとか、そういうのはなかったです。理系人間なところが幸いしたのか、比較的冷静に受け止められたと思います。現実感は無かったです。別にどこも痛くないし、強いて挙げるならすぐ息切れするくらいですし。
一方で、仕事がデスマーチ寸前だったので、そこから解放されるという安堵感もあり、こんなときにそんなことを考える人間って不思議なもんだなとも思いました。
何はともあれ、人生がガラリと変わる音が聞こえたのです。
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