この章では、クリーンルームを出てから退院までの期間のことを書いていきます。
では、よろしくお願いします。
当時の日記
入院58日目、移植後21日目
体重51.7kg、体温(朝)37.6℃。
体温があいかわらず高め。最近、波のように上がったり下がったりしてる。先生は、白血球が増える過程で熱が上がることがあると言ってた。何であれ、原因を特定してほしい。
午前中に熱が上がった。このときはカロナール(錠剤)を飲む。
一旦下がるが、夕方あたりに再び上がる。次は点滴の解熱剤(ソルコーテフ)。こっちのほうが今のところ効きがいい。
39℃とか40℃の時よりはつらくはないけど、動けない時間が一定期間できてしまう。
入院59日目、移植後22日目
体重51.7kg、体温(朝)36.8℃→(昼)36.9℃→(夕)37.0℃。
ここ2日はちゃんと眠れてる。ただ寝汗をかいてるから、多少熱はあるのかも。
血小板輸血あり。
昼食は重湯、夕食は三分粥を出してもらった。おかずも増えて(と言っても飲む系のものばかりだけど)、少しずつ食事っぽくなってきた。
ただ、食べた後に下痢を催しているから、あまり急がないほうがいいかも。
ヨーグルトとかを使って、腸内環境の改善を模索中。
入院60日目、移植後23日目
体重52.0kg、体温(朝)36.7℃→特に上がらず。部屋が変わってから、睡眠の調子は悪くない。
食事は変わらず、腹の調子は悪くないと思うんだけど、一食に一回くらいは便が出る。でも連続で出るようなことはなくなったから、改善はしてるのかな?まあ、少しずつやるしかない。
運動もしたいけど、点滴がジャマだな。
ここからの治療方針は?
やることはクリーンルームいたときとあまり変わりません。GVHDや薬の副作用に対応しつつ、血液の数値の回復を見ていきます。クリーンルームを出たとはいえ、感染には引き続き要注意です。GVHDについては、症状や免疫抑制剤の血中濃度を見つつ、免疫抑制剤の量を調整していきます。免疫抑制剤は、少しずつ量を減らしていけるのが理想です。
免疫抑制のバランスというのは非常にシビアな問題です。抑制しすぎると、移植した新しい免疫システムが白血病細胞を攻撃してくれる作用(GVL効果)を抑えてしまいます。逆に抑制が少なすぎると、重度のGVHDが起こってしまう恐れがあります。
私は素人なので詳しいことは分かりませんが、ドナーとレシピエントの相性などで変わってくると思うので、そのさじ加減は難しいと思います。
目下の課題は、食事の改善
そこそこ順調にクリーンルームを出て、直近の問題は、食事を少しずつ通常に戻していくことでした。数日前まで約2週間の断食をしていましたし、下痢も続いているので、流動食から固形食へと様子を見ながら少しずつ変えていきます。
最初は、変な紙パックスープやゼリー、プリンだけという、食事と呼べるのか疑問なメニューでしたが、重湯と三分粥が登場しました。と言ってもまだしゃびしゃびなので、「食べる」というより「飲む」というのが正しいです。
食後、たいてい便意を催しトイレへ行くことになります。下痢がひどい期間に、腸から善玉菌も出ていってしまったんじゃないかというわけで、見舞いの親に頼んでヨーグルトを買ってきてもらい、毎食食べて、腸内環境を改善することにしました。
食事が固形になるにつれて、下痢が改善していくことを期待したいところです。
血液検査結果
移植後22日目の結果です。項目名 | 結果 | 単位 | 基準値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
白血球数(WBC) | 2.0 | 103/μl | 4.5~8.5 | ±0 |
ヘモグロビン(HGB) | 7.5 | g/dl | 14~18 | -0.3 |
血小板数(PLT) | 1.7 | 104/μl | 13~40 | -0.3 |
炎症反応(CRP) | 0.75 | mg/dL | 0.50未満 | -1.12 |
調子よく上がっていた白血球数が停滞しています。そんなトントン拍子では上がらないということでしょう。他の血球も上がらず、全体的に動かずでした。
CRPはストンと下がって、回復が明確になっています。基準値入りも間近です。
体調
熱が時々思い出したように上がったり、胃腸の調子がよろしくなかったりしますが、全体的に体調は上々でした。
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